「彼と会われるのは嫌です。

ちささんに言われてはっきりわかりました。

今後彼と連絡を取ったりしないでください」

これが今カノから来たメッセージ。

別れるって言ったくせに、何なの？

すぐに今カノに返信しました。

「会っていいか聞いたけど、その答えを決めるのはあなたじゃなく彼だよ。それに彼はあなたと終わったって言ってたのに、私にそんなこと言う権利はないよ。私は彼がいいと言えば会うから」

私が別れたことを知っていたことに驚いたのか、私が反論したことに驚いたのかわからないけど、返信が来ず…

20分ほど経った時「そんなこと言ったんですか？ 話が違いますね。彼に確認します」と返信が来たと同時くらいに彼の携帯がなりました。

LINEのやりとりでは埒があかないって思ったのでしょう。

携帯は何回もなりましたが、元彼は出ませんでした。

「連絡取れませんでした。もう彼が言った通りでいいです。ご迷惑おかけしました。私のこと気にしないでください。2人の邪魔をしてすみませんでした」

このメッセージをそのままの意味で受け取っていいのか悩み、しばらく考えていました。

別れてよかった。

あの子じゃなくても、もっとあなたを理解してくれる子がいる。

元彼にそう言いました。

「あの子と別れても、ちさに戻ることはないよ。ちさのことは好きだけど、ウマが合う女友だちかな」

やっぱりね、そういうと思った。

だから手放しで別れたことを喜べなかった。

「それでもいい。あの子じゃなければいい。あなたを理解してくれる他のいい人が絶対にいるから」

不倫して、すぐ男に媚びて、人を試す。

元彼がボランティアに没頭していることを知って付き合い始めたのに、自分と天秤にかける。

会う努力をしないのに、元彼を責める。

そんな子じゃない人を選んでくれれば、私は1番じゃなくていい。

そう思っていた時今カノから私にメッセージが届きました。

私への今カノの返信はなく、代わりに彼の方に連絡が入りました。

「ちささんが九州に旅行で行っていて、あなたに会いたいと言っています。

ボランティアで行っているのに、元カノに会うつもりはないですよね？」

元彼は「面倒くさ」と呟き、何か返信をしていました。

今カノを怒らせたことに少し気持ちが晴れ

「ごめん、行こう」と車を走らせました。

その後は今カノのことに触れず、私たちは普通に旅を楽しんでいました。

そして夜。

元彼は速いペースで酒を呑み、酔っていました。

「実はさぁ、あの子から別れるとか面倒くさいメッセージをもらってて、この旅行の前に本当に別れたんだよねー」と言いました。

元彼はバカ正直な男で、今カノの駆け引きがわからなかったようです。

「けど、昨日遅くに別れたことを後悔しているとメッセージをもらって、戻ってきますか？ってあの子に言ったんだ。あの子すごく喜んでさぁ…でも今日ちさが送ったメッセージでまた別れるって言ってきてさ」

あんまりボソボソと話す彼が可哀想になり「それ、今カノの作戦だよ」とつい言ってしまいました。

「そういうの面倒くさいんだよ。あの子が1番だって何度も言っているのに試されてばかりで…」

「わざわざ会いに来てくれた友だちに会っちゃいけないんですか？って返事したら、本当に終わりですね。。あなたを理解してくれる新しいパートナーと生きてくださいって返事来た」

私は落ち込む元彼に同情しながらも、別れてよかったと少し喜んでいました。