彼女は本採用となっても、働きぶりも常識も変わることはありませんでした。

彼女と同フロアの仲良くしていた職員はそう言っていつもイライラしていました。

周りは年上ばかりで甘えることが彼女なりに職場での存在感を示す方法だったのかもしれません。

同期職員から遅れを取っているのを感じ、寂しかったのかもしれません。

その寂しさにつけ込んだのか、それとも彼女が寂しさを埋めるためにすがったのか。

彼女の指導職員の男性と不倫関係になってしまいます。

その関係は彼女の他の男性に対する甘ったれ感のおかげもあり、じゃれ合っている程度にしか見えず知れ渡ることはありませんでした。

男好きという評判はたちましたが。

また彼女はプライベートでも報われていない噂もありました。

家は自営業だけどうまく行っていないようでお金に困っている。

母親はパートに出るも焼け石に水で、電気代も払えず彼女の給料にまで手をつけている。

父親は自分の仕事がうまくいかないことを母親や彼女に当たり散らす毎日。

また一緒に暮らす祖母もお金がない中でのパチンコ三昧。

お金がなくなると母親の実家に押しかけ、母方の祖母からお金をかりている。

不幸な噂でした。

けれど私は同情する気になれませんでした。

家庭の事情なんて本人が話さなければわからないことだし、そんな話が噂になってしまうということは彼女が話したのか相談したのかわからないけど、その相手が彼女のことを大事に考えていたら簡単に他人に話したりしない。

ということは、彼女は下世話な話題の的にしかならない存在でしかなかったということなんだから。

全ては彼女の行動、振る舞いが起こしたことなんです。

不幸と思っても彼女を思いやる気持ちは全くありませんでした。

③に続く。

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